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マコちゃんワールド

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野球観戦と共に

「練兵場の横を通る時、重い雲が切れて、梅雨には珍しい夕陽が、真っ赤になって広い原一面を照らしていた。」
 これは、夏目漱石『それから』(明治四十三年)の一節。主人公の代助が、現在の外苑東通りを走っていた路面電車の中から、神宮外苑の方角を眺めた光景です。

 明治時代、外苑の敷地には陸軍の青山練兵場が設けられ、新年の陸軍始や十一月三日の天長節(天皇誕生日)には、観兵式が挙行されていました。また、大正元年(一九一二年)九月には、明治天皇の御大葬が青山練兵場でいとなまれました。
 明治天皇が崩御されると、時の東京市長・阪谷芳郎や実業家・渋沢栄一らが有志をつのり、ゆかりの深い青山の地に国民の献金によって、明治時代を永く顕彰するための施設を建設したいと請願し、その運動が実って大正時代に造営されたのが明治神宮外苑です。
 外苑には、青年時代に乗馬などの日課として「心身練磨」に精勤された明治天皇を記念し、かつ当時の流行にふさわしい施設として、競技場(現在の国立競技場)や野球場などの施設が建設されました。

そして、人々が記念事業として最も精魂を込めたのは、聖徳記念絵画館でした。そこには「明治」という近代日本の基礎を築き上げた輝かしい時代を後世の人々に伝えるため、明治天皇のご生涯を描いた日本画四十枚、洋画四十枚、合計八十枚の大壁画が掲げられています。

                   (神宮球場ガイドブックより抜粋)


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